笑いは 人生の明り窓 (7月)
―A smile is a window that lets in the light―
普段何気なくしている「笑う」という行為。心の底からの笑いは人々にとても大きな力を与えることがあります。また、笑いは、宗教的には邪気邪霊を祓って、生命を再活性化するという象徴の意味をもつ場合もあります。(『岩波 仏教辞典 第2版』) 笑うことが、病気の治癒に好影響を与えるということを世界中に広めた人がいます。アメリカのジャーナリストのノーマン・カズンズです。
彼は、1964年に「硬直性脊髄炎」という難病にかかり、激しい痛みで全く動けなくなりました。医師からは、治る確率は500分の1だと言われたそうです。
彼はとても落胆しましたが、自分の病気のことを医者だけに任せず、自分なりに調べようと考えました。そして「愛、希望、信仰、笑い、信頼などの生に対する意欲が治療的価値を持つこともあり得るのではないだろうか」と考え、あきらめず、人生の明るい面だけを考え、出来るだけ笑うようにと心に決め、ユーモア本や喜劇映画を見て、大笑いをして過ごしました。
人は心に余裕があるときは、笑顔でいられるものですが、悪い状況にあるときに笑顔を絶やさずにいるのは難しいことだと思います。
そんな彼の心の支えとなったのが主治医の存在でした。彼の著書の中で「自分には幸いにも患者自身の生への意欲が、実際に快方へのきっかけをつくるだろうと信じてくれ、私のすることをいちいち励ましてくれる主治医を持った」(『笑いと治療力』)と述べています。実際、周囲の支えや治療の甲斐もあって、カズンズ氏は働けるまでに回復したそうです。
私のお寺のカレンダーに次のような言葉が書かれていました。「楽しく笑っている人の真似をしよう。笑い方を教えてくれるよ」と。笑いは人生の明り窓。辛いときこそ笑えるよう心掛ければ、明るい未来が見えてくるのではないでしょうか。
私たちは人間として命をいただき、そのうえ仏教にめぐり合わせていただきました。そして阿弥陀さまは「慈悲」という心を教えてくださいました。「慈悲」とは人の喜びを我が喜びとする心、人の悲しみ苦しみを我が悲しみ苦しみとする心です。相手を思いやれば自然と敬い、感謝し、喜ぶ心が生まれてくるのです。
思い通りにならないこともあるかもしれませんが、あらゆる縁によって頂いた命です。できるならば明るく、正しく、仲よく、笑って生きていきたいものです。
(神奈川平塚市 長善寺 一真如)


