微笑みは 最良のおくりもの 6月
―The gift of a smile is the best encouragement for others
―and foryourself too.―
やわらかな笑顔、やさしい言葉で人に接することを意味する「
もちろん、笑顔で人と接しなければ極楽往生できないのではありません。極楽浄土に救われるための条件はただ一つ、「阿弥陀さま、どうかお救いください」の心で「南無阿弥陀仏」とおとなえするだけです。
けれども、お念仏で極楽浄土に救われてやがて仏となり、人々を幸せにする力が身につく私たちなのですから、この世を生きる間も、少しでも周りの人を幸せにしたい、元気づけたい、と思いますよね。その方法として最良なのが、誰にでもできる「微笑みをおくる」ことでしょう。
私の寺のお檀家さんに、いつもニコニコしておられる「笑顔の達人」とでも呼びたくなる方があります。この方とお話ししていると、自然とこちらも笑顔になるし、元気がもらえるのです。
七十代の男性で、元・学校の先生。退職後、全国の神仏霊場をご自分の車で巡る旅を始め、全てを詳細に記録しておられます。お念仏もきっちりとおつとめになっている、几帳面な方です。
このお檀家さん、数年前に大病を患われました。手術を受け、一時は声が出なくなったり痩せられたりで大変心配しましたけれど、徐々に回復し、巡拝の旅が再開できるまでになりました。
しばらく前に寺にお参りになった際、この方はこうおっしゃいました。
「今でもしんどく感じることはあります。でもね、本当なら死んでても全然おかしくないんですよ。それが、お念仏のおかげでしょうか、阿弥陀さまが守ってくださり、この程度でとどめてくださったと思うんですよねぇ」
そしていつものようにニコニコしながら、持参された最近の巡拝先の記録を見せてくださるのでした。
かく言う私自身は、知らずしらず眉間に皺を寄せていることがあり、よく家人に注意されます。そんな時は、いかんいかんと指で皺を伸ばしながら、この方の笑顔を思い浮かべます。
私たちは、とても法蔵菩薩さまのようにはなれません。でもそのお姿を理想として努力することはできます。お念仏生活の中で、少しでも多くの微笑みを周りの方々におくれるよう、共々に努めてまいりましょう。
(兵庫県三木市 光明寺 小泉慶典)


